わたしが管理職の方々からよく聞く悩みがあります。
それは「部下や同僚を注意するのが苦手」というお悩みです。
言い換えれば、耳が痛いことを相手に伝えることが苦手ということです。
まぁ、気を使いますよね。
不機嫌になるんじゃないか
気まずい関係になるんじゃないか
恨まれたらどうしよう…
嫌われたらどうしよう…
仕事がしにくくなったらどうしよう…
そんな風に、ネガティブなイメージが湧いてくると、伝えるのにも勇気がいるようになりますね。
そうすると、何が起きるか?
だいたい、うまくいかないパターンとしては3パターンくらいあるかな?
オブラートに包みながら伝える (▶︎伝えたいことが伝わらず、改善されない)
伝えることを先延ばしにする (▶︎伝えていないから改善されず、相手も自分も周囲からの評価が下がる)
勇気を振り絞って伝える (▶︎語気が強くなったりして、話がややこしくなる)
必ず( )で書いたような結果になるということじゃないけど、この3パターンは機能しない確率が高いですね。
そこで、今回は、耳が痛いことを伝える時に使える“前置き言葉”を、ひとつご紹介します。
アメリカのドラマの中で、これからまさに相手にとって耳が痛いことを伝えるというシーンで、よく出てくるフレーズがあります。
それは、「No offence」という言葉です。
直訳すると「攻撃じゃない」ということになるかな?
ドラマの字幕では
「気を悪くしないで聞いて欲しいんだけど」
「悪気はないのよ」
「怒らずに聞いて欲しいの」
といった感じに翻訳されています。
日本語では、このフレーズはなかなか使わないですよね。
わたしは、周りで使っている人を、ほとんど見たことがありません。
ただ、言われる側になって想像してみてください。
このあと、どっちにしても耳が痛いことを言われるので、嫌な気分になったりするかもしれませんが、この一言があるのとないのとでは、大きく違うと思いません?
日本だと、悪気がないことを「悪気がない」と直接的に言わずに、ムードや雰囲気で間接的に伝えようとするケースが多いんじゃないかなと思います。
間接的に伝える方が難しいんだけど、なぜかその高度な方のコミュニケーションをしている人をよく見かけます。
「気を悪くせずに聞いて欲しいんだけど」と言われた側は
これから言いにくいことを言おうとしているんだな
でも、それは関係を悪くするために言おうとしているんじゃないんだな
何か嫌な気分になるようなことを言われるんだな
と、この後に続く話を聴く準備(心構え)ができます。
「気を悪くせずに聞いて欲しいんだけど」と言う側も、この一言を言うことで、耳が痛いことをいう準備(心構え)ができます。
言う側も、言われる側も、心構えができた状態で、その後の会話ができるようになります。
これは体験してみないと実感できないと思いますが、前置き言葉は「会話のセットアップ」に役立ち、あなたの「対人関係力」も高まります。
わたしたちって、結構、会話のセットアップを意識せずに、いきなり話しかけたりしますよね。
これが機能せず、コミュニケーションを難しくさせているケースもあると思います。
もし、あなたが誰かに耳が痛いことを伝えなきゃいけない場面に遭遇したら、この記事を思い出して、試しに使ってみてください。
使ってみることで、これまでとは違った会話の展開を実感してもらえたら嬉しいです。
これからも前置き言葉のシリーズをお届けしますので、お楽しみに!
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