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「辞められたら困る」という思考に縛られて、適切な指導をせず、結果、いい人材に辞められてしまうという悪循環

*この記事は、採用難が慢性化している介護業界で、管理職をしている方に起きがちなこと、としてつづりました。そして、誰かを責める意図は全くなく、このテーマを探究するきっかけになればと思い、つづりました。

先日、SNSにて「『辞められたら困る』という考えに縛られて、本来の適切な判断・決断・指導ができない問題について記事にする」と投稿したところ、業種も立場も異なる方々から、コメントをいただきました。


中でも、印象的だったコメントは、


スタッフが少ない中で辞められたら困ると考えるけど、それは「辞めてほしくない人ほど辞めていく」という地獄の入り口


というコメントでした。まさに、言い得て妙な表現でした。


わたしが想定していたのは

  • 職場のルールや規律を乱す

  • 自分勝手な判断で仕事の手順や優先順位を変える

  • 自分に都合のいいように物事を解釈する

というスタッフに対する指導を、管理職が躊躇してしまうーという出来事です。


そして、彼らは口を揃えて、「人手不足の中で辞められたら、他のスタッフに皺寄せがいくから困る」という理由を言います。


実際、そうした板挟みに合っている管理職は、数多くいると思います。


問題となるスタッフがいることで、職場が殺伐としたり、顔色を伺いながら仕事をしたり、ひどい場合には、採用した職員が口々に「あの人とは働けません」と言って辞めていくという組織もありました。


こんな状況なら、指導する他ないと思うのですが、それを管理職がしない。


スタッフの行動変容が明確な課題であるにもかかわらず、管理職が「指導して辞められたら困る」という思考に陥り、板挟みになり、そのスタッフの「悪態」を見逃し続けることで、いい人材が流出してしまう。


そんな悪循環にいてもなお、「辞められたら困る」という思考から抜け出せない。まさに強力なパラダイムが、管理職の思考・判断・決断・感情・感覚、あらゆるものを縛り付けているわけですね。


そうすると、そのスタッフへのアプローチをみなさん知りたがるのですが、そのためにはそのスタッフへアプローチする管理職自身へのアプローチが先に必要です。

  • そのスタッフの言動を見逃すことで、どこにどれだけの悪影響が起きているか?(まぁ、30個くらいは見えていて欲しい)

  • そのスタッフへのこれまでの指導の振り返りと、今後の指導の違いの作りどころはどこか?(こちらは最低5つは見えていて欲しい)

  • 他に環境や条件を理由に着手せずに、放置したり、保留にしたりしていることはないか?(こちらは5つくらいは見つけられるはず)

このテーマをコーチとして扱ったことがありますが、結果的には管理職のあり方(スタンス)が整い、対象者にアプローチした結果、適切な指導がなされ、即時退職も起きず、他のスタッフに人手不足による皺寄せが起きることもなく解消したことがありました。


個別性の高いテーマではありますが、この問題に向き合うあり方(スタンス)で確認してほしいことは至ってシンプルです。


そのスタッフに指導しないことで「いま、得ているもの」と、「いま、失っているもの」を天秤にかけて、どちらがより重要か?


まずは、ここから観てみてください。

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