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執筆者の写真ぺ ホス(裵 鎬洙)

これからのリーダーは「先頭」じゃなく「◯◯」じゃない?

リーダーは「上」「先頭」に立つ存在?


 あなたにとって、リーダーってどんなイメージがありますか?


 SoftBank創業者の孫社長、Panasonicの創業者である松下幸之助氏、Microsoftの創業者であるビルゲイツ氏などの経済界のリーダーが浮かびやすいかもしれませんし、坂本龍馬やナポレオンなど歴史上、人や社会にインパクトを与えた人を思い浮かべる人や、学生時代の部活の部長を思い浮かべた人もいるかもしれませんね。


 いずれにしても、多くの人のイメージは「人や集団を引っ張っていく存在」というのがあるかと思います。だから、ピラミッド構造の上の方にいるイメージや、先頭にたって後ろをひっぱっていくイメージなんかが浮かびやすいのかなと思うんですね。


 ただ、わたしは、こうしたリーダー像は変容をしつつあるんじゃないかとみています。


 というのも、日本に限ったことかもしれませんが、いま、会社員として働いている若手社員(1〜10年目)の中には、「給料が上がるとしても、リーダーはやりたくない」という社員が少なくないという話を耳にするからです。


 昔から、そういう人はいましたが、どうもそれとは様相が異なるのではないか?とみています。というのも、これまでは個人の問題(そういう価値観の人もいる)でしたが、どうやら世代の問題(そういう価値観を世代として持っている)である可能性が考えられます。


「右肩上がり」じゃない業界のリーダー


 世の中は、右肩上がりに上向いている人や組織と、そうではない人や組織に二極化の傾向をみせているのではないか?と思います。


 右肩上がりの業界・業種がある一方で、テクノロジーの進化と世間の消費傾向の変化によって、既存のやり方ではビジネスが成り立たなくなる危機に瀕している業界や業種があります。

 前者であれば、先頭に立ってガンガン結果をつくっていこう!というイメージはあいますが、後者のリーダーは、横ばいか下降傾向の業績の回復をしていく役割を背負うことになります。ある意味、未知・未体験・未開といった文字通り先が見えない「未来」に向かっていくことになります。


 そうすると、よほどの覚悟と知識や経験がなければ、「上」や「先頭」に立つのは、少々重さが伴いそうです。経営者には覚悟はありますが、雇われている社員にはそこまでの覚悟がない社員もいますから、「お前、リーダーなんだから、お前がなんとかしろよ」と言われても、プレッシャーでしかありません。


 社員全員で学んだり、アイディアを出し合ったりする、いわゆる意見交換が活発な状態がつくれていれば、暗礁に乗り上げる確率は下げられると思いますが、それを一人でやれと言われても出来ませんね。


 つまり、リーダーには、暗唱に乗り上げる前に乗組員として一緒に考えてくれる仲間をつくること、日ごろは自分が引っ張っていくけれど、困った時には助けを求められる関係を乗組員全体で育んでおくことが必要です。


これからのリーダーは「中心」に


 だから、わたしは、リーダーには組織内のパートナーシップを育む責任があると考えています。


 いま、リーダーが「上」で、部下は「下」という上下関係は機能していないと感じる場面が多々あります。

 部下がリーダーを「上」だとすることで、部下はリーダーに依存したり、丸投げしたり、当事者意識を持たなかったり、「上下」の関係を理由に不平不満を並べて自分の問題を棚上げしたりということが起きていないだろうか?と思うのです。

 リーダーもまた、部下を「下」だとすることで、自分が引き受けるものとして仕事量を増やしたり、部下に相談できなかったり、ひとりですべてを抱え込むようなことが起きていないだろうか?と思うのです。


 これからは、権限の「上下」はあっても、存在としては「対等」というパートナーシップがベースであることが機能するだろうと見ています。


 リーダーも完璧じゃないし、わからないこともあるし、不得意なこともある。なのに、完璧であるかのような振る舞いを求められる。それをみている部下が、リーダーになりたいなんて思えるとは思いません。


●困った時に困ったと言えて、手伝ってほしいことを手伝ってと言えて、部下もそれを引き受けてくれる。

●悩んでいることを言えて、部下もリーダーにはそんなことがあるんだなって受け取ってくれる。

●役職としての上下はあるけど、この人も一緒に働くパートナーであり、一人の人間として向き合える。

 そうあることで、リーダーになるハードルは低くなるんじゃないかって思うわけです。

 だから、これからのリーダーは、「上」「先頭」ではなく、「中心」というイメージが適切なのではないかと思います。

 うまく表現できませんが、提灯(ちょうちん)の吊り下げ金具みたいに、釣り下げる時には上にきて、提灯全体を支えているけれど、そこから外して畳んだら、ちょうど真ん中にくるイメージ。


 上にもなるし、中心にもなる。その人がいるから、常にバランスがとれる。中心にいるから、バランスを欠いた時に、全体に何が起きているかにいち早くピンとくることができる。


 だから、リーダーシップの中に、「組織内のパートナーシップをつくる力」もいるよねというのが、わたしの組織論の一つですが、そういう確信は、このリーダー中心論とも関係しています。


 改めて、あなたにとってリーダーってどんな存在でしょう?



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