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「丸投げ」の背後にあるもの

執筆者の写真: ぺ ホス(裵 鎬洙)ぺ ホス(裵 鎬洙)

周りは・・・敵だらけ???


 いわゆる中間管理職(課長・係長・主任等)は、上司と部下の板挟みになるといいますが、ほんと、そういう体験をしていると、つらいんですよね。

 周りに理解者がいないように感じる時、本当は、だれも敵じゃないはずなのに、まるで敵みたいに感じることがあります。


 上司は、本当は一番の相談相手でいてほしいのに、「どうして、こんなことも出来ないんだ?」「これから、一体どうするつもりなんだ!」と責め立てるように、まるで逃げ場をつぶすように迫ってきて、最後には「それをどうにかするのがお前の仕事だろ!」ってな具合で話を打ち切って終わり。


 部下は、本当は一番協力してくれる相手でいてほしいのに、「なんで、こんなことやらなきゃいけないんですか? 納得できません!」「こんなの無理だって上に言ってくださいよ!」という調子で、力を貸してくれないどころか、目の敵みたいに噛み付いてくる。


 頼りたい人に頼れない状況って、そりゃメンタル的に苦しくならない方がおかしいよね。


頼れる人がいない


 そんな状況って、パートナーシップが欠けていると思いません?

 仕事でうつ症状に悩まされて休職や退職にいたる人の多くが、『正直に「しんどいんです」と言える相手がいないと思った時』に、心が折れてしまうようです。


 そう考えると、周りが敵に感じる状況って、さらにそれよりも状況が悪いですよね。言えないどころか、攻撃をくらうんだから。まさに、パートナーシップが欠けている状態。そんな状態は、マイナス以外のなにものでもありません。


 では、ちょっとタイトルの話に戻って、「丸投げ」について、観てみましょう。


 例えば、上司が丸投げをしてくるケースを思い浮かべてください。

 人手が足りないことも、コストがカットできないことも、売上を上げられないことも、どれをとっても行き詰まっている状況で、それらの解決策を丸投げしてくる上司がいるとしましょう。


 さて、その時、丸投げされた人は、「丸投げされた」と感じますね。では、丸投げしたと思われる上司は、その解決策に答えをもっているのでしょうか?

 ひょっとすると、答えをもっていない可能性が高いかもしれません。といより、アドバイスを求めても、その答えを「自分で考えろ」と言ってくるのだとしたら、「お前、答えもってんのかよ!」と言いたくなるから、答えもってないだろ?と言いたいですね(笑)


 で、仮に何かしらの解決策をもっていたとしても、実効性に乏しいこともあるかもしれませんし、その上司が、あなたに代わって取り組んでも、素晴らしくやれるとは限りません。

 つまり、「上司だからといって、スーパーマンなわけじゃない」ということです。


頼りたいのは答えが欲しいから?


 でも、まぁ、上司が「お前がどうにかしろ」ときたら、「こっちもスーパーマンじゃないし!」と言いたくもなりますよね(笑) お互いにスーパーマンじゃないんです。


 で、頼りたい相手に求めているのって、「俺もスーパーマンじゃねえんだよ〜!」ってことを、まずはわかって欲しいんだよね。


 そして、スーパーマンじゃないからこそ「一緒に考えてくれ〜!」ってことですよね。頼りたいのは、「気持ちをわかってほしい」「一緒に考える」というところであって、やみくもに「あんたが考えてくれ」「答えをくれ」ということが言いたいわけじゃないでしょう。


 ところで、上司の方はどうだろう?

 上司の方も、同じように「わしに答えくれと言われても、わしもわからん!」ということだとしたら、上司も頼れる人がいないって感じている可能性がありますよね。


 ん? だとすると、どうだ?


 上司は「わしにもわからん」で、あなたも「わたしもわかりません」だったら、そこがスタートラインだよね。どちらかがどちらかに委ねて、それで相手が見事に前進を創れるなら、それはそれで素敵なことですが、事態が前進せずに頓挫しているんだったら、それは機能しない会話だってことになるよね。


 わからないことを認めて、一緒に考える。

 その時に、いくら二人で話し合っても有効な解決策が見当たらないのなら「その二人で会話することは機能しないことが明らかだ」ということが明らかになるんですよね。(そういう時は、第三者(最も良いのは部外者)を交えることで、違う観点が見つかりやすいんですけど、それをやらないケースがほとんどですね)


 上司はえらくないといけなくて、部下にわからないといってはいけなくて、そんなこといったら部下が不安になるし、バカにされてしまう…という価値観の人もいますが、逆に信頼が深まったり、相談が増えたり、状況が好転するきっかけがつかめたりと、いい意味で予想に反した結果になることもあるんです。


 上司のあるべき像みたいなものは手放してみてもいいかもしれませんね。


 事態を打開できない方が損失がデカいんだから、上司もわからないといえて、部下もそんな上司をバカにするのではなく、真剣に取り組もうとしているんだと捉えるようになれたら素敵ですよね。


 パートナーシップは、それを可能にする下敷きみたいなもんです。だから、リーダーは、リーダーシップ発揮する前に、パートナーシップを構築してもらいたいですね。


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