”自立”と”お世話”と”パートナーシップ”

早く一人前になってほしい


 子育てでも言えることですが、例えば、クラブ活動の新入部員や、会社の新入社員に、一日でも早く一人前になってもらいたいと願うのは、自然なことですよね。


 子育ては、まぁ、心身ともに成長していくプロセスだから、できないことができるようになっていくには、時間もかかることもありますから、少し長い目で見ることもできるかもしれませんが、新しく会社に入ってきた社員には、そんなに長い目で見れなかったりしますよね。


 最初のうちは、基本的な仕事の流れだったり、使用する機器の扱い方など、仕事が一人前にできるようになる(自立する)ために、必要なことを教育します。そこから、徐々に関わる量を減らして、自分でやってみて、失敗して、気づいて、学んで・・・という成長を見守る、つまりティーチャーの立場からコーチの立場へと切り替えていくでしょう。


 この「教える」段階から「見守る」段階へ移行するタイミングというか、見極めを失敗すると、先輩社員にとっても、新入社員にとっても、悲劇になってしまいます。


「手取り足取りは成長を妨げるから、手を出しすぎない」


 わたしは、かつて、以下のような先輩社員を何人か目撃してきました。


●社会人たるもの、一度教えられたら、あとは自分でわからないことは調べたりして、成長していくべきだ ●わたしの時は、誰も教えてくれる人がいなかったから、社外の人も含めて、いろんな人に教えてもらって、自分で勉強したものよ

●わからないことがあるなら、自分から訊くべきでしょう? それを“わからないことある?”って、他の人が訊いてあげるなんて、過保護だわ


 たぶん、この考え方は、その人にとっては間違っていないんでしょう。だって、その人は、それで成長してきているから。ただ、それを「正しい/間違っている」という軸でとらえると、まずいことが起きるでしょうね。


 「正しいかどうか」ではなく、それが「適しているかどうか」が、人を育てる上で見逃してはいけない基準だと思うんですね。


 人の学習スタイルも様々ですし、得意なことや不得意なことも人ぞれぞれです。だからこそ、教える側の先輩社員からして、「これは手取り足取り教え過ぎ」と捉えていても、それなくして技術を習得していけない人もいると思うのですね。

 そうすると、そこで「手を出しすぎない」という関わりは、新入社員にとっては「見放された」という体験になってしまう可能性が出てきます。このご時世、それをハラスメントと捉えられても、不思議じゃないですよね。


成長のしかたを勝手に決めない


 昔、なかなか言ったことが実行できない社員がいました。

 その社員は、ひとつのことをやると、それに気が行ってしまって、全体に気を配るということができなかったのです。だから、3つの課題を1回の仕事で出してみても、一つか二つはやり残してくるんですね。


「言ったよね? なんで?」 「何回いえば、わかるの?」


 そんな言葉を、強く伝えてみたところで、ポカんとした表情をしていて、イライラは解消されないし、何より相手が仕事でミスを繰り返すという結果も変わりません。


 なので、「どうしたら、伝えた注意点を忘れずに、やれるだろうか?」という会話を、当事者同士(本人、教育担当者)でしっかりとしました。これまでのことを一緒に振り返り、解決方法を提案したりと、ある意味、「手取り足取り」でした。


 でも、よくよく考えたら、「成長のしかた」をこっちが勝手に決めるから、過保護だの、放任だのという話になるんじゃないでしょうか。

 教育担当者も、本人も、成長を望んでいる。仕事のミスがないようにしていきたい。その意味では、共通する意図に向かうパートナーなんですよね。

 そんなパートナーの「成長のしかた」を勝手に決めるのって、パートナーシップに欠ける行為だなーと思うんです。


 「あんたの教え方が悪いんだよ!」と新入社員が言うのと、「これで覚えられないなんて、どうかしてるよ!」と先輩社員が言うのって、同じ質でしょう? 教え方や成長のしかたを一方的に決めつけてるコミュニケーションなんだから、どちらもパートナーシップが欠けていますよね。


 さすがに新入社員がそんなこと言わないだろうけど、実のところ、思われているかもしれませんよ(笑)

 とにかく、なんで、みんな、一緒に考えないんだろう?って、ほんと、思います。


#パートナシップ#コミュニケーション#研修#セッション#コーチ#ぺホス

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